青森から来た女の子が,スープカレーあんまり好きじゃない,と言うので,それなら美味しさに目覚めさせようというコーナー。
行ったお店は少し辛かったけど,とても美味しかったです。女の子も満足したみたいなので,大学院内でスープカレー部を結成して他のお店も回りたいと思います。
さて,たまには真面目なことも書いておこうというか,どうせ誰も見ていないんだから自分のメモ代わりにBlogを使ってしまおうということで,一寸研究計画を走り書きしておきます。この記事は随時改訂されるかもしれません。
あくまでもメモなのですが,諸先生方からつっこみがありましたらお願いしたいところです。
ちなみに,ここから下は相当長文ですよ。
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僕の研究テーマは睡眠障害です。
睡眠障害というのは,まあご想像の通り睡眠が質的,あるいは量的に障害されるものを指すのですが,それだけではなく,「そのことで日中どれくらい困っているのか」という観点からも考えて判断します。
睡眠の質か量かの障害というくくりですから,具体的に見ていくと極めて多彩です。ですので,詳しくは成書に譲ることにいたしますが,睡眠障害国際分類 第2版(The International Classification of Sleep Disorders Second Edition;ICSD-2)では,「睡眠異常」「睡眠時随伴症」「内科的・精神科的障害に関連する睡眠障害」「提案検討中の睡眠障害」の4種に分けて考えています。
ICSD-2にあるように,睡眠障害は精神疾患に随伴する症状としてよく聞かれるものです。有名なものでは,うつ病やPTSDでは,不眠や悪夢が併存しやすいことが示されていますが,発達障害のひとつである「注意欠如多動性障害(Attention Deficit / Hyperactivity Disorder;AD/HD)にも高率に睡眠の問題が見られるというのが最近わかってきました。先行研究を概観すると,AD/HDは健常者群と比較して,日中の傾眠・睡眠中の体動・長時間睡眠・夜間覚醒・パラソムニア(睡眠中の異常行動)・睡眠時無呼吸が有意に多いことが明らかになっています。
注意欠如多動性障碍(Attention Deficit/Hyperactivity Disorder;AD/HD)というのは最近有名になってきましたね。ざっくり言うと落ち着きがない,注意が持続できないっていう発達障碍の一種です。AD/HDについてはここで書くよりも,フロンティアADHDという素晴らしいWebサイトがありますので,興味のある方は是非アクセスしてみてください。
AD/HDの子を持つ親や担当する教師の訴えの中に,日中に興味が無い活動をしているときにはふと眠り込んでしまうことがある,といった「日中の過剰な眠気」や,夜眠る前に,過活動になる時間がある(いわゆる“眠気の谷”)といったことがありました。しかし,これまでAD/HDの睡眠障害についてはあまり注意が払われてきませんでした。私も,よく学会で研究テーマについて話をすると,先生方から「珍しいことをやっているね」というような感想をよくいただきます。
では,なぜAD/HDに随伴する睡眠障害に注目するのか。理由は幾つかありますが,先行研究から,「AD/HD患者に対して睡眠障害の治療を行うと,AD/HD単独の治療よりも,AD/HD症状を容易に改善できる可能性が示唆されているという,おもしろいデータが出てきたというのが主たる理由です。
しかし,上述の理由からAD/HDと睡眠障害を調べた研究は多くありません。睡眠障害に介入することがAD/HD症状を改善できるならば,従来の治療パッケージに睡眠障害への対応を加えるべきであると言えます。そしてそれは,極めて有用であると言えるでしょう。
以下,私が見た研究を幾つか挙げてみます。
テーマ1.OSASはAD/HDの原因か?
OSAS(Obstructive Sleep Apnea Syndrome)は,日本語で「閉塞性睡眠時無呼吸症候群」と言います。睡眠時無呼吸症候群という言葉はどこかで聞いたことがあるかもしれませんが,その原因の95%を占めているのがOSASです。
通常,夜間睡眠中のいびきや短時間の呼吸停止,夜間覚醒などの症状によって発見されます。
このOSASは二次的な症状として日中の眠気の他に,不注意,注意集中困難,かんしゃく,不機嫌といったAD/HD様の行動障害を伴うことがあります。そのため,OSASによる低酸素暴露が高次脳機能へ影響を与えることが推察されるといった指摘や(BeeBe,2006),全てではないにしろ,一部のAD/HDはOSASの誤診が含まれるかもしれないという指摘があります。
OSASと診断されるほどではないにしろ,いびきということに注目してみると,AD/HDの子どもは高率にいびきが報告され(Chervin,2006),健常児,他の疾患を持つ子どもと比較して約3倍(AD/HD児33%,健常児9%,他の疾患患児11%),いびきの存在が報告されています(O'Brien et al,2003)。
千葉(2008)やChervinら(2006)の報告では,睡眠時無呼吸の治療として扁桃腺の切除を行ったところ,AD/HD様の症状も寛解(あるいは消失)したという例を挙げています。
OSASはAD/HDと同様,就学前後に診断に至るありふれた疾患です。また,夜尿の合併が多いことも両者の近似性と症状の鑑別の必要性を裏付けるデータであると言えます。
OSASの患児は行動面・認知面の評価もすべきでしょう。
テーマ2.AD/HDとレストレスレッグス症候群(Restless Legs Syndrome;RLS)
レストレスレッグス症候群,日本語ではむずむず脚症候群というなんだか変な名前が付いていますが,睡眠障害の原因として第2位であるという深刻な疾患です。
主な症状は,脚の不快感と脚を動かしたい欲求です。脚の表面ではなく,内部(深部)に不快感があり,眠りに入るときや座席にじっと座っているときといった安静時に不快感が増します。この不快感は脚を動かしたり,さすったり,叩いたりすることで軽減されるため,重症になると脚をずっと動かし続けていなければなりません。これが「Restless leg」の名の由来です。
この病気は夕方から夜にかけて症状が増強することが多いために睡眠の問題を引き起こすのです。
さて,このRLSはAD/HDを持つ子供の44%に存在し,反対にRLSを持つ子供の26%にAD/HD様の症状があるようです(Owens,2009)。
RLSの病態は不明な点が数多くありますが,一節にはDopamine作動性の薬剤が効くことがわかっており,Dopamine代謝異常の可能性が考えられています。Dopamine代謝異常はAD/HDの病態と重複するかもしれないということが指摘されているようですが,詳しくは今後の研究を待たねばならないでしょう。
まず第一弾。続きは後日。